ひたむきにぶつかり合える関係

中高一貫校の女子校だからこそ気になるのが、先輩と後輩の関係性。学校生活での関わりは?行事や部活動の上下関係はぶっちゃけどう?そんな疑問にリアルに答える、先輩と後輩の対談コーナー「お話の部屋」。第2回はオーケストラ部で活躍する先輩×後輩4人組の関係に迫ります。

安藤真帆さん(高校2年生)/ 藤岡芽衣さん(高校2年生)/ 橋本幸奈さん(中学2年生)/ 高島那々泉さん(中学2年生)
※インタビュー当時の在籍学年です。 

中高一貫校だからこそ芽生える気持ちがある

橋本さん 中学2年になってからパート練習が多くなって、先輩方に直接教えていただく機会が増えましたが、お二人とも丁寧に優しく教えてくださるのでとっても嬉しいです。はじめはボーイング(弓に弦を当てて音を出す基本的な動作)すら上手くできませんでしたが、少しずつ綺麗な音がでるようになってきて達成感を感じています。

高島さん 本当にそうだよね!いつも安藤先輩って上手いな~私もあんな風に弾けるようになりたいって思っています。

安藤さん ありがとう。バイオリンパートは28名の大所帯だけど、中学生のみんなは練習熱心だよね。個人の自主練習もすごい集中して頑張ってるなって見ていて感心してるし、私も負けないように練習しなきゃって励みになってる。

藤岡さん どうやったら後輩にわかりやすく教えられるかは試行錯誤の連続だよね。バイオリンパートを離れてオーケストラ部全体で見ると、まだ先輩方がいて頼れる部分があるけれど、いざパート練習になると私が先輩としてしっかりしないと…って身が引き締まる。できるだけ上から目線にならないように、橋本さんや高島さんの気持ちに寄り添って一緒に練習するように心がけているつもり。

高島さん ありがとうございます。そのおかげで私も緊張せず練習を頑張れています。

安藤さん やっぱり甲南女子が中高一貫の女子校ってのが大きいかもね。私も藤岡さんも中学生の頃からオーケストラ部に入部しているけど、当然その当時は高校生の先輩がいて、いまの二人と同じように先輩からたくさんのことを教えてもらった。その経験があるからこそ、自分たちが中学生の頃にどうだったかを振り返りながら、パート練習に取り組めているんだと思う。

藤岡さん そうだね。中学高校が一緒になって部活動に取り組んでいるのは甲南女子の魅力だと私も思う。私はバイオリンパートは和気あいあいとしたパートにしたいなと考えていて。特に中学生で入部したての人たちはバイオリン経験のあるなしでどうしても技術に差が出てしまうけど、未経験の人でも練習すれば絶対に上手くなれるから、人数は多いけど先輩後輩全員で支え合いながらパートを盛り立てていきたいなと思っています。

個人の努力の積み重ねがオーケストラ

安藤さん もちろん和気あいあいとは言っても、やるからには真剣に取り組みたいよね。オーケストラの魅力ってたくさんの楽器パートが一緒になって演奏をつくり上げていくところにあると思う。一人でも気を抜いていたり練習不足の人がいると全体に影響が出てしまうからこそ、日々の練習はなにより大切!

橋本さん そうですよね。入部したての中学1年の頃は同学年だけで1曲を仕上げる練習だったけど、2年生になってからは演奏する曲目も増えますし、全体合奏にも参加させてもらえるから、個人練習を頑張らないとついていけない!って思って毎日必死に頑張っています。

高島さん とにかく練習あるのみだよね!一人ひとりが責任感を持って取り組むことが大切なんだと思います。

藤岡さん 学校内では4月の文化祭を皮切りに春季・秋季と年3回大きな発表の機会があるけど、毎回演奏曲の楽譜が配られてからが勝負って感じだね。2週間後の音合わせに向けてどれだけ個人とパートで練習できるか。その期間は結構みんなストイックで部の空気もピリピリしてるかも。けど、練習を重ねて全員で挑む演奏会はいつも本当にワクワクする。はじめは揃っていなかった音がどんどん綺麗になっていっていく感じとか、みんなで作り上げた音楽がホールに広がっていく瞬間とか。終わった後もすごい達成感があるし、ずっと続けていても同じ結果にはならないから本当に飽きないし楽しいなって思う。

安藤さん プレッシャーもすごいけどね…。学年が上がるにつれてオーケストラの席でも前の方に座るようになるし。自分はもちろん、バイオリンパートのみんながちゃんと合わせられるように最大限サポートしたいなとも思う。高島さんも橋本さんも、初めは全体合奏に合わせるのが難しいところもあると思うけれど、失敗や経験を重ねるうちに絶対に上手くなるし、やっぱり全員で音を作り上げていくのがオーケストラの醍醐味だと思うから、これからも一緒に頑張っていこうね!

本気でぶつかった先にある音を求めて

橋本さん せっかくの機会なんで、聞いてもいいですか?

安藤さん なに?怖いなあ~

橋本さん 発表会の学年曲って各学年で話し合って曲を決めるじゃないですか。その曲決めで先輩方が話し合いに苦労されているのを見て大丈夫かな?っとちょっと心配になりました。

高島さん …それは私も思ってた。ちょっと近寄りがたかったもんね。

安藤さん ああ~確かに。結構言い合いもしたし、数日間はみんな納得いかない感じでギスギスしてたかも。ごめんね(苦笑)

藤岡さん 私たちの学年だけじゃなくて、それこそ私たちの先輩方も学年曲決めでは喧嘩してたよね。それで、最終的には主張し合っていても決まらないってなって、お互いが頑張って折れるというか。

安藤さん それだけ譲れないものがあるってことだと思う。揉めたからこそお互い「やったるで!」って気持ちも強くなる。主張を通した方は「自分たちがやるって言ったんだから全力でやらなきゃ相手に失礼」って気持ちになるし、譲った方は「決まったからにはとことん練習しなきゃ」って考える。もちろん意見が食い違うこともあるけれど、そうやってなんでも真剣に言い合えるからこそ、全員で全力で演奏に取り組める環境がオーケストラ部の素敵なところだと私は思うな。

藤岡さん うん、それが私たちオーケストラ部の良いところだし、なにごとにも全力で取り組む甲南女子の魅力かもしれないね。

橋本さん 確かにそうですね。私ももっと練習して自信をつけて、自分の考えを曲げずに伝えらるように頑張りたいなと思いました。

高島さん 私は将来入ってくる新入部員に、お二人のように優しく真剣に向き合える先輩になれるように頑張ります!